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【香川県さぬき市】水産加工会社

業種水産加工会社
所在地香川県さぬき市
創業・設立年創業1965年・設立1987年
従業員数40名
受け入れ人数(国名)2016年から受け入れ開始
・延べ人数:27名
・種類:技能実習生、特定技能、技術・人文知識・国際業務(技人国)
・国:インドネシア26名、ベトナム1名

外国人材の受け入れのきっかけ

当社は、「生きる喜びを作る」という経営理念のもと、魚の魅力を伝える水産加工品の開発・製造に取り組んでいます。
これまで地元の方を採用してきましたが、近年、若い方の採用が難しくなったことから、さぬき市商工会議所のすすめもあり、外国人の受け入れを検討。できれば事業でつながりのあったインドネシアから迎えたいと考えました。受け入れにあたっては、単なる労働力として扱うのではなく、彼らの人生にとって有意義な期間にすると決意しました。受け入れ前は、社員から「なぜわざわざ外国人を雇うのか」と戸惑いの声が挙がりました。たしかに育った背景も文化も違います。しかし、それらの壁を超えてお互いに信頼関係を築くことができるはずだと期待しました。

受け入れ体制づくり

外国人労働者の仕事内容

外国人労働者は、水産加工と惣菜加工の仕事に携わっています。水産加工では丸ごとの魚をさばいて、調味料で味付けするまでの一連の作業を担当します。惣菜加工は焼く・煮る・揚げるといった調理をします。それら製造した商品はスーパーや百貨店に納品したり、通販で販売したりします。インドネシア人労働者の企画で、インドネシア風のピリ辛イカ焼きソースを開発したこともありました。仕事の内容は各種制度等で定められていますが、さまざまな経験や技術を培うことができるように心がけています。

日本人と同じ雇用条件でモチベーションをアップ

外国人労働者の雇用条件は日本人の社員と同じです。

給与は当初、時給制としていましたが、仕事には繁忙期と閑散期があり、時給制だと月によって収入にバラツキが出てしまいます。自国の家族に仕送りをしている外国人労働者が生活しやすいようにと配慮し、年間給与額を平均した月給制に変更しました。

また、日本人と同じ評価制度を導入しており、半期ごとに目標を立て、達成すれば年2回の賞与にも反映しています。がんばった分だけ評価される仕組みを整え、モチベーションアップを図っています。

生活しやすい環境づくり

会社の近隣にはアパートがほとんどありません。そこで会社で一軒家を借り上げて外国人労働者の社宅として提供しています。また、自転車を支給し、通勤や買い物時などに活用してもらっています。

外国の方が困るのは病気になったとき。どの病院に行けばよいか分からないし、日本語で症状がきちんと伝えられるだろうかと不安を抱えています。そこで、病気の際には日本人の社員が病院に付き添い、「何かあったときは助けてくれる」と安心できる環境を整えています。

採用前に、できるかぎり現地を視察

外国人労働者を採用する際には、可能なかぎり現地のご両親にあいさつをしています。現地を訪問することで、その方が育った背景を知ることができます。日本と彼らの国とでは、想像しているよりもずっと環境が異なります。また、当社で受け入れている外国人労働者のほとんどが初めての渡航。ご両親は不安な気持ちを抱えながら、大切なお子さまを送り出しています。それに応えられるよう、雇う側も「責任を持ってお子さまをお預かりします」という思いを伝えるようにしています。

外国人材を受け入れてよかったこと、効果

いつも外国人労働者の方々の笑い声がそこかしこから聞こえてきて、会社全体の雰囲気が明るくなりました。その明るさにつられて日本人の社員も明るくなる、よい効果が生まれています。外国人の輪に日本人の社員が加わり、一緒に話している姿もよく見られます。来日した時点で日常会話程度の日本語が話せるから、コミュニケーションも問題ありません。

さらに、彼らは仕事を覚えるのが早い。最初は外国人の雇用に抵抗のあった日本人の社員もいましたが、受け入れてすぐに、なくてはならない存在となりました。

うまくいくために工夫したこと

コミュニケーションを一番大切にしています。

当社は相互支援の精神を育てて、自主的な考えと行動を促すことを目的とした、「チーム活動」を取り入れています。そのチーム活動には外国人労働者も参加しています。

「朝礼・場づくりチーム」では、彼らに朝礼の司会をしてもらって、「13の徳目」を発表しあいます。また、イベントや経営発表会の進行役にも積極的に登用。人前で話すことは自分の考えを周囲に発信する機会になりますし、司会を任せることで自信にもつながっています。

外国人労働者が来日までに日常会話ができる日本語能力を身につけていることが、コミュニケーションがうまくいくポイントです。それは日本語の教育を現地で行う、送り出し機関の質に左右されます。送り出し機関の厳選もうまくいくためには重要なのです。

これからの展望

当社で技能実習生として働き、その後インドネシアに戻られた方々とともに、将来はインドネシアで水産加工技術を生かした事業を立ち上げたいと考えています。さらに、インドネシアの大学の優秀な人材を新卒で採用して、新たな加工技術の開発にも挑戦したいです。現地企業と当社との資本提携・技術提携という、新しいビジネスの形を生み出していくことがこれからの目標です。

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